今年の4月からブログを更新していなかったので、多くの皆様からご心配をいただきました。
勝又ジム所属のフィリピン人選手が契約上のトラブルを起こしたことから、同選手が持っていたWBCユースタイトルを返上するなどの措置をとりました。
もとより、プロボクサーは、マネージャーの管理のもとに、プロモーターと一体となって、そのキャリアを積んでいきます。
我が国の場合はジム(クラブオーナー)制度なので、ジムの所属選手であるということは、その一員としてジム全体の利益を追求するよう努力しなければなりません。
さればこそ、ジムは選手に対する長期的な視点に立った育成をすることが可能になるのです。つまり、短期的な利益ではなく、多大な先行投資を厭わないような選手の育成がジム制度によって可能になるのです。
その意味で、我が国のジム制度は選手育成において、諸外国では考えられないようなコストと時間をかけています。
勝又ジムのフィリピン人へもその様な処遇をして、出身国では決して与えられないようなチャンスと報酬を与えてきましたが、ジム制度への理解が不足していたため、いずれも志半ばで帰国する結果となっています。
そうしたことから、勝又ジムが二代目体制になって初めてのチャンピオンのタイトルを返上しなければならない苦渋の選択に触れることを私自身が躊躇していたため、これまでブログを更新できずにいました。
ただ、光陰は矢のように移り変わるので、ブログを更新していない半年の間に多くの出来事がありました。
その最も大きな出来事が、神田桃子のABCO王座獲得です。ABCOはWBCの公認地域タイトルで、我が国では未認定ですがWBCの緑のベルトが王者の印です。これで二代目体制2本目のベルトです。
今年の3月に勝又ジムへ移籍になった神田桃子は、4月のキャンプ座間興行での復帰戦に勝利した後、6月7日にマニラでWBCアジア女子アトム級王座決定戦に挑み、王座を獲得しました。
そこで、8月22日に同じくマニラで同じ選手と再戦を行い、4RTKOという文句無しの内容で正規のタイトルを獲得し、さらに遡って、記録上前戦を正規のタイトルマッチに認定してもらいました。
その結果、WBC世界女子アトム級第21位OPBF同級第1位にランキングされました。
神田桃子は、JBC公認前の2006年にプロデビューをしたいわば女子プロボクサーのパイオニアの一人です。
普段は、勝又ジムの選手寮からジムに通い、お好み焼き屋でバイトをしながら、世界への夢を掴むべく日夜努力しています。
ご覧の通り、ルックスも可愛いですが、性格もお茶目で、誰からも好かれる女の子です。
そんな神田桃子が11月17日(月)に行われる一力ジム主催ファイティング・ビーVol.9に出場デビュー8年目にして初めて後楽園のリングに上がります。
今後の活躍をご期待ください。